田中(あらいちゅー), 馬主で大家で占い師
香港ひみつの占いツアー (1) 香港のリアルな占い師事情
中国三大占いタウン!?香港占い業界の実情に迫る
香港は台湾と同様、占いの盛んな地域である…と言われていますが、ガイドブックには黄大仙の占い街が紹介されている程度で、「香港にはどういった占いがあり、香港ではどの占いが盛んで、有名な老師は…」といった情報には、あまりお目にかかることがありません。
香港人がどこで占いを勉強しているのか、どこで占いの本や羅盤を買っているのかといった情報も、ネットには(少なくとも日本語には)転がっていないと思います。
そこで今回は、香港の占術研究家で、iPhone用の本格中国占術ソフト「占卜算命」の作者でもある、術友マーティンの助けを借りて、ゴールデンウィークにひっそりと!?香港占いツアーをやってきました。その模様をレポートします。
まずは「占卜算命」の作者、マーティンと対面。果たして現地の占い事情は…!?
鮑黎明先生や東海林秀樹先生など、台湾に渡って研鑽を積まれた偉大な先人たちのお陰で、台湾の占い情報は比較的手に入りやすいと言えます。しかし、香港や韓国になるととたんに情報が入りにくくなります。今回は先述したように、香港で本格的な中国占術ソフトを開発している、術友のマーティンを頼ることにしました。
朝10時。マーティンとは、私が宿泊しているワンチャイのメトロパークホテル(安いのに広くて静かで交通至便、おすすめ)で待ち合わせです。
「占卜算命」つながりで以前からやりとりはあったのですが、直接会うのは今回が初めて。自分でソフトも作るような占いマニアだから、不健康な若い兄ちゃんかな…と思いきや、筋肉質な体つきの、けっこうなイケメンのナイスガイ。性格も気さくで親切、逆お土産?に、紫微の本を貰ってしまいました。
「I glad you here!」と固く握手をして、近くの大家楽(中華版のマクドナルドみたいな店)でコーヒー片手に占い談義に花が咲きます。とはいえ、私のへたくそな英語と中国語を使っての会話ですので、ほとんど筆談に近かったのですが…w
香港の占い業界について、マーティンに色々と聞いてみた
以下、マーティンに聞いた話の要点を対談形式にまとめてみました。
田中「台湾では紫微斗数が大人気で、命術は斗数が6、四柱推命(八字)が3、その他が1という感じだけど、香港はどう?」
マーティン「香港では紫微斗数と四柱推命に人気の差はないと思うなあ。どちらがナンバーワンかと言えば、四柱推命だと思う」
田中「日本で有名な香港の老師といえば、中州派紫微斗数の王亭之老師だけど、香港での人気は?」
マーティン「香港でも有名だよ。彼はいまカナダにいるはずだけど、彼の弟子がまだ香港で活動しているよ。そうそう、王亭之老師の本を出版していた書店が廃業したんだ。圓方出版社というところが版権を引き継いだんだけど、値段が倍くらいになってしまっている。だけど紙質がよくなって、判型も大きくなったから今の方が読みやすいね。」
田中「ほかに有名な占い師はいる?」
マーティン「紫微だと、王亭之老師のお弟子さんの○○老師が活躍しているかな。八字ではコーズウェイベイの○○大厦に有名な○○○老師がいるけど、この老師はもともとは風水での評価が高い人だね。鑑定もやってくれると思う」
田中「こっちの占いの相場ってどれくらい?」
マーティン「だいたいの占い師さんは大批、小批、流年とコースを分けているね。大批は1500香港ドル程度で、一生の運勢の推移について細かく教えてくれる。小批はおおまかに一生のことを教えてくれる。占い街なんかでやっているのはこれだね。これは500香港ドルくらいが相場。あとは批流年だけど、これは知りたい年の運勢について教えてくれるコースだね。だいたいどこも300香港ドルくらいだと思うよ」
田中「さっきもらった紫微の本にダイアナ元妃の命盤が出ていたけど、香港の占い師は暦の問題をどうやって解決しているの? 日本だと、太陰太陽暦とか干支暦は、そのままだとアジア周辺でしか通用しないという人が多いけど…」
マーティン「基本的に暦は時差とかを計算すればそのまま使えるよ。ヨーロッパでも問題ない。ただし南半球になると話が違ってくるね」
田中「香港人は占ってほしい時、どこに行くの? 台湾だと、地元民はあまり占い街には行かないとか聞くけど…」
マーティン「香港人は占い街に行くよ。有名なのは黄大仙(ウォンタイシン)と廟街(テンプルストリート)の占い街だね。どちらが良い悪いではなくて、時間帯で使い分けているかな。昼は黄大仙、夜は廟街という感じ。廟街は深夜までやっているよ」
田中「君の『占卜算命』は素晴らしいと日本の占い師の間でも評判だけど、四柱推命は情報量が少ないとみんな言っているんだ。どうしてこんなに画面がシンプルなの?」
マーティン「実際は五行の力量計算とか、もうプログラムはあるんだ。でも機能を詰め込みすぎるとソフトの動作が遅くなってしまうので、削っているんだよ」
かなりディープな香港占い師事情
…などなど、ほかにも「香港人は奇門遁甲をどう使っているの?」といったマニアックな話も色々と聞いてきたのですが、ネットでおおっぴらに書けるのはこれくらいでしょうか。私の中国語レベルと英語レベルが低すぎるため、正確性に自信が無くて書けないという事情もありますのでご勘弁くださいw
また、有名な老師たちのお名前やオフィスについても色々と教えて貰ったのですが、不心得な日本人がノーアポイントメントで押しかけたり、鑑定を強要したりすると我が国の恥ですので、一部は割愛させていただいたほか、お名前を伏せ字にしたりしています。すいません。
これは将来「香港占いツアー」を本当に実施することになったら、その際に参加者にお伝えしようと思います。って、やる予定は今のところありませんが…(笑)
というわけで、話し込んでいるうちにお昼になりました。香港の占い専門書店「上海印書館」が開く時間です!