田中(あらいちゅー), 馬主で大家で占い師
【無料講座】紫微斗数入門・十四主星と十二宮の意味
入門者向け・紫微斗数入門講座
このコーナーでは、紫微斗数の《無料》入門講座と題して、十四主星と十二宮の象意中心に、紫微斗数の主要な構成要素を紹介しています。
アプリや自動計算サイトなどで命盤を出力し、どの宮にどの星が入っているかを調べ、このページの内容と突き合わせれば、初歩の初歩の鑑定はできるようになります。紫微斗数の楽しさの一端に触れていただければ幸いです。
中級以上の方には得るものがないかもしれませんが、初学者の方にはお役に立つと思います。勉強の参考に、また屋外で鑑定する際のアンチョコに、ご活用ください。
なお、ページ最下部に参考文献を挙げておきます。さらに勉強したくなった方は、ご一読いただければなお良いかと思います。なかでも「飛星紫微斗数闡秘」は初心者から上級者まで、必携と言える参考書です。中級以上の方は「紫微斗数古訣神探―台湾・香港の飛星派技法集」もご参考ください。
紫微斗数命盤の自動作成はこちらから
台湾のサイトですが、無料・自動で紫微斗数の命盤を作成することができます。生年月日と生まれた時間を入れて試してみてください。なお、時間選択の部分に中国語で注釈が書かれていますが、気にせずに実際に生まれた時間を入力してください。
※「毎日23時から1時の生まれの人は子時となります。あなたが23時・24時(夜子時)を選択した場合、自動的に翌日の0時(子時)として計算します」と書かれています。専門的になるので現段階では、日の変わり目の生まれの人は作盤の処理が異なるという点だけご記憶ください。
使い方がよくわからない方、もっと精密に命盤を出したい方は、こちらの説明をどうぞ。
十二宮の意味の一覧
紫微斗数を使えば人間の運命を詳細に知ることができますが、「仕事は?」「結婚相手は?」といった質問にフォーカスして答えることもできます。そのフォーカスの際に使用するのが十二宮と呼ばれるものです。
命宮から左回りに兄弟宮・夫婦宮・子女宮・財帛宮・疾厄宮・遷移宮・交友宮(奴僕宮とも)・官禄宮(事業宮とも)・田宅宮・福徳宮・父母宮と配置されており、例えば夫妻宮に入っている星を調べれば、結婚運や夫婦運について知ることができます。
このように、十二宮が何を表しているかは紫微斗数鑑定の根幹をなしており、真っ先に理解する必要があります。
命宮の意味
紫微斗数鑑定における扇の要がこの「命宮」になります。その人が先天的に持つ性格、外見、行動様式、才能、思想などについて表しています。なお、外見に関しては対宮(向こう正面)にあたる遷移宮の状況も加味します。
この宮に入った星は人生のあらゆる局面に顔を出すため、例えば恋愛運や財運について鑑定する場合でも、「この星が命宮に入っているからこの人はこう行動するはず」といったように、命宮の影響を念頭に置きながら鑑定を進めることになります。
この宮で鑑定相手のキャラクターイメージを掴んで、それを斟酌しながら他の十二宮を鑑定し、細かな答えを導き出すというイメージです。
兄弟宮の意味
「兄弟宮」では、兄弟姉妹について知ることができます。兄弟姉妹との仲の良し悪し、関係の深さ、困った時に援助を得られるか、もしくは自分が援助することになるか等をここで判断します。
また、友人・知人や同僚などについても兄弟宮に投影されます。友人・知人を表す宮は他にもありますが、比較的自分と対等な人間関係にある人物、というニュアンスです。
仕事上のパートナーなどもこの宮に投影されるため、独立開業をする際には大事な宮となってきます。
また台湾の天乙上人は「直接的に奴僕宮に影響し、間接的に命格に影響する」と著書で述べています。
兄弟宮で意味されること
- 兄弟間の関係
- 兄弟の人数
- 父母間の関係
夫妻宮の意味
「夫妻宮」は、配偶者(結婚相手)について表しています。配偶者の見た目や性格、趣味嗜好について詳しく見ていくことができます。また、自身がどういった人と結婚したがるか、どういった相手と結ばれやすいのかが投影されることもあります。
女性の場合、結婚相手に関する情報は後述する福徳宮にも表示されることがあります。そして結婚相手と出会う時期・結婚の時期を判断する際にも重要な役割を果たします。
結婚相手という特定の人物を表す宮ですので、星が多種多様に入っているのを嫌う側面があります。例えば主星が複数あったり、左輔星と右弼星がそろって同宮している場合などは、異性運がありすぎて相手を絞りきれない、不倫や浮気の恐れがある、といったような判断をすることがあります。
夫妻宮で意味されること
- 夫婦間の関係
- 配偶者の個性や容貌
子女宮の意味
「子女宮」は、主に子供との縁や関係性を表しています。また子供の見た目や性格、才能、親(自分)との協調性などについても知ることができます。子供を得やすいか、中絶や流産などの危険があるかについても投影されています。
また性行為や恋愛についても子女宮を見ることがあり、異性からみて性的に魅力ある人物かどうか、異性運(結婚運ではありません)、性的な趣味嗜好、下半身の病気についても大きな影響があります。
夫妻宮で意味されること
- 子供との関係
- 子供の人数
- 意外な出来事
- 性的な嗜好
- 子供の性別
財帛宮の意味
「財帛宮」はいわゆる財運を表しています。ここで言う財とは現金や証券といったもので、動産のことです。不動産は田宅宮という専用の宮があるので、そちらを見ることになります。
自身の財運が薄いか厚いか、どういった方法で財を得るのか、向いている理財殖財の方法は、といった鑑定に用います。
また、理財という意味から転じて、その人の管理能力についても知ることができます。ここから経営者や経理担当者としての能力についても判断することができます。
財帛宮で意味されること
- 理財(財産管理)の才能
- 財運の強弱
- 仕事の選択
- 物質的な享受
- 命格の高低
疾厄宮の意味
「疾厄宮」は、生まれつきの体質や健康運を表しています。疾厄宮が凶であると病気や怪我に遭いやすく、しぜん寿命は短くなります。
寿命の長短を判断する際は、後述する福徳宮と疾厄宮を調べることになります。また病気だけではなく、他動的なトラブルや災害についても知ることができます。また、突発的という象意から宝くじ運やギャンブルといった面を疾厄宮から鑑定することもあります。
現代では西洋医学が発展しているので、占いで病気そのものについて調べることはないと思いますが、心臓が弱い・泌尿器が弱いといった情報は生活習慣病の予防に役立つものと思います。
疾厄宮で意味されること
- 先天的な体質と病気
- 心情と情緒(精神的な気質)
- 父母とその相貌への影響
- 痣やホクロ
- 突発的な出来事
遷移宮の意味
「遷移宮」では、外交運・旅行運・移住運などを知ることができます。たとえば遷移宮が良い人は外で実力者と出会えたり、頼りになる仲間が見つかったり、困った際に助けを得られたりといった慶事があります。
どういった出会いなのか、その出会いは助けになるのかは、この宮に入った星から判断していきます。また旅行に関する吉凶、故郷を離れての移住に関する吉凶も読み解くことができます。
そして命宮の項目でも触れましたが、その人の体外的な見た目(いわゆる外面)についてもこの宮から知ることができます。
遷移宮が強い場合は、命宮は本質、遷移宮は外見といった考え方をして行きます。いっぽう、遷移宮は「普段は隠されているその人の本質」という考え方をする流派もあります。
遷移宮で意味されること
- 命格に直接に影響する
- 意外な物事の発生
- 隠れされた個性
- 外面的な印象と能力
- 人縁の良し悪し
- 移動や旅行
交友宮(奴僕宮とも)の意味
「交友宮」は「奴僕宮」とも言われます。奴僕は奴隷といったニュアンスがあるため、最近は交友宮の呼び名を使う人が増えてきました。
ここでは、主に部下や友人などについて知ることができます。自分を助けてくれるか、吉の関係か凶の関係かといったことを調べます。兄弟宮と違い、自分より目下の人というニュアンスです。
また、健康運は主に疾厄宮で鑑定しますが、交友宮が影響することがあります。
交友宮(奴僕宮)で意味されること
- 友人や同僚との関係
- 兄弟宮への直接の影響
- 事業の成功失敗
- 人間関係全般の良し悪し
官禄宮(事業宮とも)の意味
「官禄宮」は事業宮とも呼ばれ、全体的な仕事運や昇進運などを知ることができます。サラリーマンや公務員など、組織の一員として活躍できるか、どういった働かきたをするかも判断します。
自営業者の場合は理財能力や管理能力がより問われるため、命宮と財帛宮の影響のほうが強くなるようです。
また学校運や試験運なども知ることができます。名誉という意味合いもあるため、社会的な運勢を測る際にはとても重要な宮となります。
官禄宮(事業宮)で意味されること
- 仕事の環境の良し悪し
- 仕事の選択
- 上司との関係
- 事業運の善し悪し
- 夫妻宮への直接的な影響
- 父母宮の田宅位
田宅宮の意味
「田宅宮」は主に不動産運を表しますが、家という意味合いから家庭運、自宅や自宅周辺の状態などについても表しています。
どういった場所に住むことになるか、不動産を得ることかできるか、持ち家がよいか賃貸がよいか、父母や先祖から不動産の相続があるかなどを鑑定します。
また家は子作りをする場所という意味合いがあるため、恋愛運や異性運(結婚運ではありません)にも関係があります。
田宅宮で意味されること
- 住居と周辺環境
- 個人の財産の源泉(財庫)
- 子女宮への直接的な影響
- 家宅運の吉凶
- 転居のあるなし
- 祖先の財産の多寡
- 風水
福徳宮の意味
「福徳宮」では、精神的な安定度がどうであるか、趣味嗜好はあるか、それはどんなものなのかを知ることができます。
精神的な安定度は健康に大きく影響するため、寿命の長さを測る際には福徳宮を重要視します。また精神や幸福という意味合いから、宗教家や占い師など、他人を導く仕事につくにはこの宮が良いほうが有利だと言われています。
また鑑定を受けているのが女性であるならば、その結婚相手の性格や容姿を表していることがあります。結婚運は夫妻宮で見るのが常ですが、精神性を大切にする現代では福徳宮も軽視できないところです。
福徳宮で意味されること
- 心情や情緒の傾向
- 財産がどこから来るか
- 祖父母
- 老後の吉凶
- 個人の価値観
父母宮の意味
「父母宮」では、父母がどういった人物であるかや、父母との縁が濃いか薄いか、助けがあるかないかを知ることができます。
また目上の人物との関係や、文書関連の問題についてもここを参考にします。
なお父母宮で父親を見て、その対宮にあたる疾厄宮で母親を見るという人もいます。他には本人の命の陰陽で父母宮が表すものを判断するという説もあります。
父母宮に限らず異説がある時は、無理せずどちらも試してみて、当たっている方を採用すれば良いでしょう。
父母宮で意味されること
- 父母の結婚生活
- 遺伝的な病気
- 父母との関係
- 見た目
身宮の意味
最後に「身宮」についてです。命盤を作成したら、命宮・夫妻宮・財帛宮・遷移宮・官禄宮・福徳宮のうち一つを「身宮」として指定します。例えば「夫妻宮が身宮である」といったふうに表現します。こちらの記事も参考にどうぞ。
また、身宮を用いた簡易的な鑑定法です。
身宮に指定された宮は自分自身の人生における最重要テーマを表すほか、身宮に入っている星が後半生において強く作用すると言われています。平たくいえば、身宮に指定された十二宮は、後半生を代表する宮であり、命宮と二人三脚で運を作っていく宮だと言えるでしょう。
十四主星の意味の一覧
続いて、紫微斗数鑑定の中心となる十四主星(影響力の大きい星)をご紹介します。主に命宮に入った場合の意味をまとめましたが、例えば夫妻宮に入った場合は配偶者がそういう性格である・そういった配偶者を選びやすい、と読み替えてください。命宮・夫妻宮以外の宮に入った場合でも同じように考えていくことで、おおまかな鑑定が可能になります。
紫微星の意味
貴族、尊さ、長寿、実業を表す星です。育ちのよい二代目社長といったイメージです。帝王の星とよく言われますが、指導力というよりはカリスマで人を引きつけるイメージです。
その王侯貴族的な性格が悪い方に出ると、高慢さや優柔不断、心変わりなど対人関係での未熟さにつながります。仕事や学問を司る面もあり、受験などにも強そうです。
組織においても適応力がありますが、一兵卒ではなくキャリア、資格、士官学校出、といった何らかの身分があるほうが、落ち着きが良いでしょう。詳しくは以下のページをどうぞ。
紫微星のざっくりとした性格
リーダータイプだが現場というよりは社長。カリスマで引っ張る。
紫微星の特性
北斗星・陰土(己)・官禄主・帝王の星
天機星の意味
学問や技術を表す星です。軍隊の参謀や技術顧問をイメージすると掴みやすいです。計画の立案に長けていますが、陰謀や策略を好む人もいます。トップに立つよりは参謀、補佐官といった立場のほうが才能を活かせるでしょう。シビアな考え方が出来る人ですが、芸術、宗教、占いに惹かれる人も多いようです。
知恵をもって人を善導し、それによって開運します。人のために努力するのを厭うと、才能を発揮する場を失い、運がふさがってしまいます。
巨門星とならんで知恵を愛するマニアックな傾向がありますが、人を善導するという大義から、天機星は健康マニアなどになりがちです。そこからすると医療職など、人に奉仕するために知恵を凝らす仕事が向いているといえるでしょう。芸術、宗教、占いに惹かれるのも、そういった面からだと思います。
天機星のざっくりとした性格
協力的なタイプで知恵の回るエンジニア。人と仕事をする共労型。
天機星の特性
南斗星・陰木(乙)・兄弟主・知恵の星
太陽星の意味
政治、不動産以外の財産、名声、男性、父親などを表します。頭上から大地を照らし、土地を養うのが太陽ですから、本質的に身分は高く、影響力の強い星といえます。太陽は中国占術では男性に仮託されるため、男性にとっては父親であり、女性にとっては夫を意味します。おおむね、行動的でおおらかな父親をイメージすると、星の性格を掴みやすいでしょう。
朗らかで性格の良さを感じさせますが、天にふたつ並ぶものがないという自己肯定感の強さからか、自分勝手さも感じさせます。部下や目下に対する面倒見はよく、公平さを大切にすることで開運します。また自分の身分の高さや影響力の強さに甘えず、仕事や受験などで苦労をすると人格に深みが出てきます。広範囲に影響を与えるという太陽のイメージから、芸能や文筆といった仕事にも縁があるでしょう。
太陽星のざっくりとした性格
おおらかに見守るタイプだがリーダーというより支援者。広範囲に大きく強く影響を与える。
太陽星の特性
中天星・陽火(丙)・官禄主・権力の星
武曲星の意味
行動、決断、権力、財産を表す星です。能力の高さや性格の強さを感じさせます。やり手の事業部長さんといったイメージです。経営者や自営業者に向きますが、行動力と決断力に長けていることから、警察官や軍人といった武断的な仕事や現場業務にも向いています。
武曲星は財を代表する星ですが、その財は外から内へともってくる星です。したがって投資や事業といったもので財を増やしていきます。
武曲星のざっくりとした性格
現場というよりはリーダータイプ。現実認識能力と行動力で自ら成功を手に入れる。
武曲星の特性
北斗星・陰金(辛)・財帛主・財星
天同星の意味
幸福、余禄などを表す星です。どこの学校にも一人や二人はいた、温和で人当たりがよい人気者をイメージしてください。財運や異性運は比較的良好ですが、自分本位な面もあり、自己の幸せや喜びを追求するため、趣味や遊びにのめりこむ人も多いようです。
基本的には幸福や精神的な平穏を表す星なので、ストレスに強いといえますが、いったんメンタルのバランスが崩れると大きく崩れがちとなります。メンタルを保つことが開運の鍵となりますから、メンタルの乱れを感じたら仕事を休んだり、ためらわずに友人や医者などを頼るべきです。
天同星のざっくりとした性格
八方美人な調整タイプ。人となにかすることで持ち味が出る。人間関係の潤滑油。
天同星の特性
南斗星・陽水(壬)・福徳主・寿命の星・厄除の星
廉貞星の意味
仕事、商売、芸能などを表す星です。負けず嫌い、潔癖性、完璧主義といった性格を持ちます。現実的で実際的な面があり、占いや神頼みなどにはあまり魅力を感じません。自分の才能に自信を持っており、それがゆえにナルシスト的な一面かあります。出世を追い求めるサラリーマンといった性質で、ルールと行動と結果を重んじます。異性運は比較的強くなります。
廉貞星のざっくりとした性格
クリエイティブな一面もある。リーダーにも現場監督にもなれる。現実主義者で物理主義者。いかにも仕事のできそうなタイプ。それがゆえに仕事や学問に熱中しすぎるきらいもある。
廉貞星の特性
北斗星・陰火(丁)・陰木(乙)・官禄主・桃花の星
天府星の意味
繁栄、不動産、経営者などを表す星です。帝王の紫微星、大臣の天府星と言われることが多く、自身がトップに立って腕を振るうこともできますが、カリスマある指導者のもとでナンバーツーとして振る舞うほうが実力を発揮できるようです。
損得勘定に長け、資金管理や資金調達に才能を発揮します。カリスマ社長を支えるエリートの副社長、といったイメージです。軍隊で言えば後方支援や兵站といったところでしょう。ただし紫微星と同様に支配者層を表す星でもありますので、手を動かす地道な作業が苦手てあったり、現場の仕事に対する理解が足りなかったりといった弊害を見せることがあります。
天府星のざっくりとした性格
リーダータイプだが社長というよりはナンバー2。紫微星よりも現実認識がシビアで実務能力がある。カリスマというより人柄で人を惹き付ける。
天府星の特性
南斗星・陽土(戊)・財帛主・田宅主・寿命の星・厄除の星
太陰星の意味
太陽星と対になるのがこの太陰星(月)です。月のように静かでロマンチックな人、と考えるとイメージを掴みやすいです。女性、精神性、芸術、宗教、不動産、妻、母などの意味があります。したがって女性にとっては母親で、男性にとっては妻を表します。
男性で命宮に太陰を持つ人は、どことなく風貌や物腰が女性的になります。そのため女性からすると、男性的な魅力が足りないと思われてしまいます。逆に女性で命宮に太陰星を持つと、独特の雰囲気を持ち異性を引きつけるようです。
太陽の施すイメージとは逆に、内に秘める、貯めていくイメージのある星です。したがって財星としては貯蓄、コツコツという意味があります。
太陰星のざっくりとした性格
共同合作タイプで、知性と優しさをもって人を影から支える。広範囲に小さく、少しずつ影響を与える。
太陰星の特性
中天星・陰水(癸)・財帛主・田宅主・財星
貪狼星の意味
仕事、商売、投資、快楽、遊び、異性、ギャンブルなどを表す星です。頭の回転が早く、人の顔色を察することができます。こち亀の両さんの性欲を強くしたイメージでしょうか。欲望が強く、魅力的で、かつそれを前に出すのですが、社交性があるため対人関係は比較的良好なことが多いようです。
仕事や勉強といった本来色事とは関係ない事柄でも、どことなく異性や恋愛の影がちらつき、影響を与え、受けます。人が自然と集まってくる星のため、同時にトラブルや幸運を持ち込まれることも多いでしょう。
貪狼星のざっくりとした性格
現場タイプだがあまり人の言うことは聞かない。クリエイター向きの性格。一人でなにかを始めるのが性に合っている。
貪狼星の特性
北斗星・陽木(甲)・官禄主・桃花星
巨門星の意味
トラブル、会話、変わり者、マニア、オタク、研究などの意味を持つ星です。明石家さんまさんをイメージすると掴みやすいです。アニメや芸術、コンピューターなど、膨大な知識量を求める趣味に没頭する傾向があります。
トーク力があるためタレントや営業、弁護士などに向いていますが、喋りすぎゆえに口の災いを招きやすく、他人から信頼を勝ち取るのに苦労します。
人に命令や指示をされたり、膝を屈して教えを受けたりすることが苦手で、そういった局面で上から目線を発揮してしまい、トラブルを起こすことがあります。
批評家的な一面があり、自分の言動で他人が動くことを喜びます。そのため本質的には善良です。うるさくて、うっとうしくて、偉そうだけど良い人なのです。そして巨門星は実践家ではなく批評家であるため、自ら大きなことを成すには何かが足りず、他の星や運の助けが必要だと言えます。
巨門星のざっくりとした性格
マニアでオタク、人に影響を与えるのが大好き。人助けで自分の才能を発揮できると無性によろこぶ。
巨門星の特性
北斗星・陰水(癸)・奴僕主・口舌の星
天相星の意味
文芸、勉強、温和といった意味のある星です。おとなしい性格ゆえに他人の脅しに弱く、状況に流されがちなところがあります。気の弱い作家やお役人さん、というイメージでしょうか。
根は正直で優しいため、おおむね人に好かれますが、うまく利用もされてしまいます。文芸を愛し性格が温和ということで、作家や医療関係者に適正がありそうです。しかしながら、仕事や学問を表すという面もあるため、資格試験や公務員試験を通じて社会に出る人も多いでしょう。
天相星のざっくりとした性格
リーダータイプだが持ち前の温和さをプラスに活かす必要がある。現実主義、物質主義を信じてはいるものの、押しに弱いところがある。
天相星の特性
南斗星・陽水(壬)・官禄主・官吏の星
天梁星の意味
長寿、管理、リーダーシップ、保護といった意味のある星です。しかし受動的な側面があり、何か事が起こらなければ腰を上げません。いざという時に頼りになる、優しい体育の先生をイメージするとわかりやすいでしょう。
頼れる両親、具体的には父親をイメージしても良いと思います。職業的な適性は広く、教師や公務員、医療や宗教関係などに向いています。優しさと強さを秘めつつも、どことなく陰のある味わい深い星で、そのため芸術やパフォーマンス方面にも適性があります。
天梁星のざっくりとした性格
サポートするタイプだが適切にリーダーシップも使える。つまり学校の先生のように振る舞うのが理想。芸術方面に意外な適性があり、体を動かすのにも向く。
天梁星の特性
南斗星・陽土(戊)・福徳主・厄除の星
七殺星の意味
権威、勇気、戦闘、行動、決断力などを表す星です。勇気と決断力を持つ反面、それが独断専行といった悪い方向に出ることがあります。こちらは天梁とは反対に、厳しい体育の先生をイメージしてみてください。体育の先生にすぐに怒られたり、処分を受けたりした経験があると思いますが、比較的イメージとしては近くなります。
比較的仕事で成功しやすい星ですが、よいリーダーを見つけることができれば想像以上に大きく成功します。紫微星を皇帝とし、その命を受ける将軍です。会社で言えば営業部隊や現場監督といったところでしょうか。紫微星を皇帝としている将なので、権威とルールを重要視します。
遷移宮の主であり、移動、遠方といった象意もあります。
七殺星のざっくりとした性格
権威と計算をもとに主体的に動く。勇気ある現場監督。勇猛さは十四主星のなかで一番。自分をつかいこなてしくれるリーダーを見つけると開運できる。
七殺星の特性
南斗星・陰火(丁)・官禄主・遷移主・将軍の星
破軍星の意味
行動、変動、闘争、冒険といった意味を持つ星です。職種ではなく職場を選ぶことが大切になります。独創的な豪将という星ですが、現代社会においては生涯現役の冒険家、遊び人といったイメージを持たれやすく、この星の人は外見が若々しいことが多いようです。
また浪費、消耗といった意味もあり、目的のためにはコストを支払うことを厭いません。時間もかけるタイプでしょう。横並びで強調を求められる現代社会においては孤立しがちですが、本来は子供、部下、配偶者など周りとの信頼関係を築くことで、大きなことを成し遂げてゆきます。
破軍星のざっくりとした性格
単独行動であちこちに行ってしまう。知らない間に人に方針や新しい知識を示している。闘争や変化をいとわない。保守的な現場よりはクリエイティブな場所や、一人での活動に向いている。遊びも人並み以上にこなす。時間と費用をたっぷりかける。
七殺星の特性
北斗星・陰水(癸)・夫妻主・遷移主・奴僕主・将軍の星・損耗の星
紫微斗数における性格判断の基本
紫微斗数における性格判断は、命宮とその三方四正を中心に行います。いきなり何のことかと思われそうですが、要するに命宮でその人の本質、遷移宮で対外的な印象や隠された本質、官禄宮で管理能力や管理される能力(組織での適性)、財帛宮で理財能力や経営能力(経営者としての適性)を見ていきます。
仮に全てが素晴らしい状態であれば、性格はすばらしく、印象もよく、本質的にも善人で、組織に入ってよく働き、起業したり部門のリーダーになってもよく部下を管理できる、というスーパーマンになります。ここから逆算して何が足りないか、何が過剰かを考えてゆくと良いでしょう。
「原始命盤」でさらに深い運勢や性格を判断していく
「原始命盤」とは、「十四主星にはそれぞれが司る宮があり、司る宮と実際に入っている宮の関係を見て深い事柄を占っていく」という技法です。特に複雑な計算も必要なく、理屈としても単純ですが、大変有用なので使ってみてください。
紫微斗数の流年法
紫微斗数で10年単位の運勢を見る方法として、大限法というものがあります。また、流年(毎年の運勢)を鑑定する手法として、主に太歳法と小限法があります。この2つをあわせて行運と呼んでいます。
具体的な行運の鑑定法を詳細に解説するページを作りましたので、ご参考ください。
またこちらは各流派の技法や用語をまとめたものと、飛星派の流年法についての概要です。
紫微斗数の研究ノート
私が若い頃に書いた紫微斗数の鑑定例や鑑定メモです。今読むと稚拙な内容なのですが、消すのも惜しいので置いておきます。
紫微斗数コラム
占い日記のコーナーに執筆した紫微斗数のコラムです。
参考文献・おすすめ書籍
天乙上人(2006)「現代斗数真訣」蓮田出版社
王亭之(2006)「王亭之談星」香港博益出版社
鐘義明(2013)「紫微一得」武陵出版社
鮑黎明(1982)「飛星紫微斗数闡秘」東洋書院
紫天十二宮会 (2018)「紫微斗数古訣神探―台湾・香港の飛星派技法集」東洋書院
東海林秀樹(2017)「完全マスター 紫微斗数占い」説話社