田中(あらいちゅー), 馬主で大家で占い師
占いの勉強を長くコツコツ続けるには? 占い学校の元スタッフさんに聞いてみた
占いの勉強法をきちんと知ろう!
占い師になるには勉強が必要ですが、その勉強はコツコツと長く続くものです。勉強が苦手という方はどうすれば良いのか、どういう勉強法であれば長く続くのか、大手の占い学校にスタッフとして在籍し、その後プロ占い師としてデビューした高遠明日香先生に教えてもらいました。
占いの勉強は資格試験とはまったく違う
まず大前提として、占いの勉強は他の資格とは全く違うことを言っておきます。テキストを読み、過去問を解き、試験で基準点以上を取る…という道筋は占いの勉強には当てはまりません。占い師にとって、占いの勉強にはゴールがないのです。つまり人生が、毎日が勉強なのです。
では具体的に、どう勉強していくのが良いのでしょうか。占い学校で働いていた時にもよく聞かれましたが、私はその時いつもこう答えていました。「授業に頼りすぎてはダメですよ」と。
授業だけではなく予習復習にも気をかけよう
授業はもちろん大切です。けれど、週一の授業でしか占いに触れていない受講生の方と、授業以外でも独自に勉強されている方とでは、勉強の進み方が大きくなります。月並みですが、授業でとったノートをまとめ直すといった復習はもちろん、講師が紹介した本を読むのもよいでしょう。
日常の中で占いを意識してみよう
また、日常の中で「占い」を意識することも大切です。たとえば友人や家族と会話をしているときは、発言の根拠がなんなのか占星術の理論から想像してみる。ニュースや時事問題を耳にしたら、陰陽五行やタロットの象意に当てはめてみる。とても小さなことですが、繰り返していくうちにイマジネーションが刺激され、表現力が磨かれていきます。これは後々、占い師の鑑定実務において、キモとなる語彙力に直結します。
最初は占いの専門用語を覚えることから始めるみなさんも、ゆくゆくはそれを理解し、お客様にその用語を使わずに内容を説明する、占い師という立場になります。その時に役に立つのが「日常」を「占い」と結び付ける感覚やイメージです。人生が、毎日が勉強というのはこう言う意味でもあります。
無理をしては続かないから絶対にダメ
もう一つ「無理をするのは絶対にダメ」です。私が働いていた占い学校では、時々地方から上京して受講される方がいらっしゃいました。本当に通えるのか? という確認を必ずするのですが、みなさん「地元には学べる所がないので頑張って通います」とおっしゃっておられました。しかし、二週間に一度、まとめて授業が集中している日に受講するスタイルで、最後まで続いた方はほぼおられませんでした。
遠距離の通学は体調を崩したり、用事で休んだ際のリカバリーが難しいのです。二週間に一度であっても、長距離の移動は精神・身体・金銭的負担となります。当時はあまりなかったと思いますが、昨今はオンライン講座が豊富です。対面とオンラインそれぞれによさがあります。自分に無理のないペースとスタイルで勉強しましょう。
占いの勉強法について深いところを聞いてみた
―占いの勉強ってなんだか難しそう…と思っていましたが、最近はオンライン講座も豊富で、チャレンジしやすい環境かもしれないですね。
高遠先生「特に教室に通うのが難しい方には良いと思いますよ」
占い友達を作ると占いの練習がはかどる!
―いざ始めてみたとして、実際に勉強を“続けていく”面では、どういうことを心がけたらよいでしょうか?
高遠先生「受講生の方々にも結構同じ質問をよく受けました。先ほどの話にプラスして、研究的な面と実践的な面で私がお勧めしていることがあります。まず研究的な面として“占い友達”をつくるということです」
―占いを通じた友人ですか?
高遠先生「年齢も職業も家庭環境も違うけれど、同じ占いを勉強している人と、教室やSNSを通じて友人になる。これがとても良いことなんです。例えばどちらかがプロだと、それは友人というより師弟っぽくなります。けれど同じ“勉強中”という立場であれば、ああでもないこうでもないと互いの解釈を話したり、練習で占ってその結果を考えたり、自由に意見を交わして楽しむことができます。これは占いの勉強の研究的な面を深めてくれます」
―何だか学生の頃のテスト前みたいですね。
高遠先生「そう!そんな感じです。研究というと一人で本を読んで…というイメージですが、異なる解釈や、違う視点からの切り口を体感することが大事ですね。師弟ではなく占い友達ならば、ちょっとした日常会話にも“占いネタ”が使えるので、より占いが身近に感じやすいでしょう。専門用語をそのまま使えるので、占いを知らない人と話すよりもある意味ずっと気楽ですよ。また、自分のほかにも頑張っている仲間がいるということは、モチベーションの維持にもつながるでしょう」
―ひとりよりもメリハリのある勉強ができそうですね。
高遠先生「そうですね。もう一つ、占い友達の良いところは、自分の知らない世界が広がるという点です。年齢もこれまでの経歴も違う友人ですから、占い以外の仕事の話や趣味の話など、様々な発見や驚きがあるでしょう。若い友人から今どきの恋愛事情を知るかもしれません。年上の友人からは、仕事や家庭の悩みを聞くかもしれません。これらはゆくゆく自分がプロの占い師となった時に、“どんな相談内容にも動じない”ための第一歩ともなります。見聞を広める、ということに当てはまりますね」
実占(実際の鑑定)をする相手がいないという人は…
―なるほど。人生が勉強・常に勉強というのがここでも登場するんですね。これが研究的な面だとすれば、実践的な面というのはどういうことでしょうか?
高遠先生「実践的な面とは、すなわち“実占(じっせん)について”です。シャレではありませんよ?大まじめです」
―実際に占う、ですか。
高遠先生「受講生の方々からよく寄せられた相談の一つに“実占ができない”というものがありました。これは難しい問題です。もっとも実になる方法は“占いを勉強してない人を占うこと”だからです。占い教室などのコミュニティの外で実占練習ができればいいのですが…人によってはなかなかそれができませんよね。場所や機会がないのです。なのでアドアイスとしては、周りに“占いを勉強している”とアピールすることをお勧めします。ただし、相手をよく見ることです」
―相手というのは?
高遠先生「占いに対して懐疑的な方もまだまだいらっしゃいます。私はプロの占い師として活動していますが、自己紹介をしただけで“どうせ変なツボとか買わせようとするんでしょ?”と、見知らぬ方から言われることがあります。“占い学校”というだけでインチキ扱いされるからと、ご家族に内密に教室に通っていた受講生さんもおられましたよ」
―えええ……。
高遠先生「占いに対する風当たりはまだまだ強いところがあるのです。ですから、勉強しているアピールは慎重に相手を選んでください。そうはいっても女性の多くは何だかんだで占い好きな方が多いので、受け入れてくれそうな友人グループや職場の同僚など、心当たりがあるのなら思い切ってアピールしてみてはどうかと思います。“占いの練習がしたい”と言えば、何かの折に実占できるチャンスが巡ってくるかもしれません。こういった営業活動も練習のうちです」
―はじめは友人や職場の人の相談に乗るのがよい、ということでしょうか?
高遠先生「誰が良いと言うより、鑑定に慣れるというのが何より大事だと思います。まだお金をいただく自信はない…という方は、身近な方を占うことで、少しでも実占経験を積んだほうがいいでしょう。練習だと伝えることにより、多少鑑定中にまごついたり、ノートや本を見ながら結果を伝えても、何とか許されるはずです。実は私もそうでした」
―高遠先生の実体験だったんですね。
高遠先生「そうなんです。占い学校に勤める前ですね。当時本当に練習がしたくて、女性の多い職場だったので上司に相談したんです。そしたら快く許可をいただきまして、休み時間にちょこちょこ練習をしていました。最初はタロット3枚引きを自分のノートを見ながら解釈していくという…本当今思えばつたないものでした。徐々にノートを見ずに6枚引きができるようになって、そのうち小アルカナも使ったフルデッキを操るようになって…間違えても失敗しても、うっかり失礼な言い方をしてしまっても、いいんです。まだ練習なんですから。練習として周りから許されるうちに、むしろ失敗をたくさんしておきましょう。こういう言い方はダメだ、こういう質問内容ならどう表現すべきか、現場感を肌で学んでいくわけです」
練習だからお金はもらいにくい、そういう時はどうする?
―それがプロとして活動していく土台になるんですね~。
高遠先生「こうやって練習を積むことで、自信もついてくるはずです。ある程度スムーズに鑑定ができるようになったら、次のステップとして“鑑定料”をいただきましょう。いつまでも練習ではそのうち緊張感が抜けてしまいます。例えば“ドリンク一杯”でもかまいません。鑑定の対価をいただくことで生ずる責任感を実感し、意識を高めていきましょう」
―いきなり鑑定料を言うのもハードル高そうと思ったのですが、“ドリンク一杯”なら頼むほうも抵抗はほとんどないですね。
高遠先生「まだプロとして活動しているわけじゃない、けど練習言えど緊張感は必要、という場合には、このような方法が一番無難かと思います。いきなり『お金を出してくれ』とは言いにくいですよね。また、いきなり見知らぬお客様を鑑定するよりも、この方法なら友人の友人など、ある程度つながりがある相手が相談者として見つかれると思うので、適度な距離があり、鑑定料の話もしやすいのではないでしょうか」
―確かに、今まで無料で練習していた友人や、同僚に鑑定料をくださいとは言えない…ということもありそうですね。
高尾先生「よくない意味で慣れが生じますし、なかなか言えないものですよ。けれど、そうしてちょっとでも鑑定料をいただくことでより、占いとに真剣に向き合えます。そうやって少しずつでも続けていくうちに、占った相手が他の人を紹介してくれて、またその話を聞いて興味を持った人が相談に来て…と、色々なつながりができるかもしれません。イベント出演を依頼されることだってあると思いますよ」
―そうして自信と実力をつけていく、ということですね。占いの学び方、そして占い師の仕事に対する理解が深まりました!
高遠先生「こちらこそ。このお話が占い師を目指す方のお役に立てれば幸いです」
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https://www.senjutsu.jp/labo/labo_uranaishi/aptitude/study
なかなか今期の続かない占いの勉強。どういった勉強法なら続くのか、実践鑑定はどこで練習すればよいのか、目からウロコのアイデアです。
高遠明日香先生のプロフィール
来校スタイルの占い学校にて受付スタッフとして約6年間勤務。スタッフブログの更新を通じ、日常の中に占いの感覚を取り入れる話題や考察など数多く発信し好評を博す。学内の事務業務のほか、入学希望者や受講生の相談に随時対応し、その際の体験が今回の記事の元になっている。在職中に占い師としてプロデビューを果たし、現在は鑑定や原稿などで細くゆるく活動中。
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