断易(五行易)とは? おすすめの道具と本もご紹介します

著者・田中(あらいちゅー)の自画像田中(あらいちゅー), 馬主で大家で占い師田中(あらいちゅー) @araichuu Twitter

断易(五行易)占いの解説

大地(易経の坤為地)のような風景

断易とは、筮竹やサイコロを使って卦を出し、そこに十二支を割り振り、その強弱を読み取ることで、吉凶や解決の時期などを判断する占いです。

覚えることはたくさんありますが、なんでも占える、吉凶の判断が曖昧でなく鋭い、結果の出る時期が読めるというのが特徴です。

卦を出す方法自体は周易と共通なので、同じ占いだと混同されるのですが、断易と周易は親戚のような関係ながら、占い方も違えば、得られる答えも全く違います。

このページでは、断易(五行易)がどういった占いなのかと、断易でなにを占えるのかを簡単に解説します。

断易(五行易)とは?

断易の具体的な占い方についてですが、話の都合上、周易について先に解説します。

周易というのは竹ひご(筮竹・ぜいちく)やサイコロを用いて卦を立て、「易経」という本のなかにあるその卦の解説を読み、卦と易経、そして相談者の現状とを照合して未来を占うものです。

周易の画面

卦の見た感じは上記のようになり、図形と難読漢字ばかりの漢文から神示を読み解いていくという、理論とインスピレーションの双方が問われるアート寄りの占いとなります。

いっぽう断易(五行易)は、筮竹やサイコロで卦を立てるところまでは周易と同じなのですが、易経の文言をひもときません。

断易は十二支を使う

断易(五行易)では、易経をひもとくのではなく、得られた易卦に十二支や六獣・六神と呼ばれる神様の名前を割り振って、それぞれの力関係を調べることで占ってゆきます。

この際に五行(陰陽五行説でおなじみのあれです)の力量を事細かに調べるため、五行易とも呼ばれています。

吉凶判断の基準は単純明快で、用神(占いの目的ごとに設定されるターゲット)の五行が強い状態なら吉、弱いなら凶です。

断易(五行易)の画面

断易(五行易)で出した卦の見た感じは上記の通りで、ほぼ漢字の羅列ですが、システマチックに吉凶の判断ができるのが特徴です。

どちらかというとアート寄りの周易に対して、断易(五行易)はロジック寄りの占いだと言えます。

周易と断易(五行易)では何を占える?

断易(五行易)でも周易でも、人事全般、世界中のあらゆることを占えます。

これはどちらが優れているということも、劣っているということもありません。方法論の違いです。

断易は当たる?

占いに当たる、当たらないは存在しない(占い師の上手い・下手があるだけ)のですが、断易はシステマチックに判断できるため、占い師による当たる・当たらないのブレが比較的少ないとは考えられます。

しかし用神判定というターゲットゲッティのプロセスに失敗すると、見当外れの結果が出てしまうため、やはりこれも「人によってはちゃんと当たる」「当たらない人は当たらない」と言うほかありません。

断易のやり方

断易は道具を使って立卦(占いに使う卦を立てる)し、その卦を読んでいくという作業になります。

読んでいく作業は人それぞれですが、立卦の作業は道具を使う、何も道具を使わない、はたまたスマホアプリやパソコンソフトを使うなど、やり方は多岐にわたります。

断易の道具

先述のように、断易の立卦にはさまざまな道具を使います。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

易占い用のサイコロ

易占い用のサイコロを使って立卦する方法です。八角形のほうを3回振って卦を出す人が多いのですが、同じものを3セット購入して、一発で立卦できるようにしている人が多いと思います。

神蓍(サイコロ箱)

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八面体のサイコロふたつを3回、もしくはひとつを6回振るのは精神統一を持続するのが大変です。そこで6つを一気に振れるようにする道具です。

神蓍やサイコロ箱と言われています。

筮竹

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時代劇などでよく見る、筮竹をジャラジャラ使う方法もあります。

精神統一が大変ですが、この方法にこだわりのある断易占い師さんも結構いらっしゃいます。

ちなみに竹ひごなどで代用する人もいますが、本物の筮竹は手元部分が少し細くなるように削られており、この加工がないと筮竹のさばきがスムースに行きません。

安物買いの銭失いになりがちですので、高いと思ってもきちんとした筮竹を買うほうが、断易も当たると思います。

古銭(コイン)と亀の甲羅

古銭を使って占う人も多いです。なぜ今のコインではなく古銭なのかと言うと、風水アイテムに「五帝銭」とよばれるものがあるからです。

清朝時代に名君と言われた皇帝が五人おり、それぞれの時代に鋳造された古銭にはパワーがある、といった意味合いです。

風水グッズ屋さんに行くとレプリカの古銭が大量に安く売られていますが、切手屋さんや古銭屋さんに行くと本物の五帝銭も安く手に入ります。状態の良いものでも、一枚数百円です。

それほど値段ではないので、こだわる方は本物の古銭が良いのではないでしょうか。

ちなみに台湾の占い師さんの多くは、コインを亀の甲羅の中に入れて、中でジャラジャラ振って卦を出すというやり方をしています。

亀の甲羅は台湾でもなかなか手に入りませんから、向こうの占いショップに行くとレプリカの亀の甲羅を売っています(大体は金属製です)。

断易の自動占いは当たるの?

断易の自動占いも存在するとは思うのですが、システマチックな占いとはいえ、やはり占い師の「読み」の力がないと的中させるのは難しいと言えます。

したがって、自動占いはあっても使えないものが大半、というのが実際のところではないでしょうか。

断易(五行易)が周易より有利な点

周易と断易(五行易)に優劣はありませんが、それでも有利不利や、わかりやすい・わかりにくいという点はあります。

周易は易経のなかの解説文をもとに、インスピレーションとロジックを組み合わせて占っていくため、上達するまでは吉凶の決定があやふやになりやすいのが弱点です。

反面、一定のレベルに達すると、神業とも言えるような判断を下すことができます。

その点、断易(五行易)は「五行の力量を比べる」というロジックで良し悪しを決定するため、手順さえ間違わなければ、初心者でも吉凶をハッキリと解釈することができます。

また断易(五行易)は、十二支という中国のカレンダーで使われているパーツを用いて占うため、時期の判断(応期と呼ばれます)に優れるといった特徴があります。

この点のみは明らかに周易よりも簡明で、有利な点だと言えます。

断易と周易の違いのまとめ

以上のように、周易と断易(五行易)は親戚ではあるのですが、別の国の生まれなので言葉が通じないし、仕事のやり方もぜんぜん違うんですよ、といったような関係にあります。

少々こじつけにはなりますが、周易はインスピレーションとロジックを両立させた占いで、断易(五行易)はロジックのほうが先行している占いといった具合でしょうか。

そのため入門自体は周易のほうが容易だと言われていますが、深奥に至ると断易(五行易)のほうが学びやすいとも思います。

どちらも大変優れた占いですので、断易(五行易)を学んだ方はあとで周易を、周易を学んだ方はあとで断易(五行易)を学んでみてはどうでしょうか。

断易を独学するための本

断易を独学したい、という方のために、おすすめの本を2冊ご紹介します。

「断易の教科書」(CHAZZ)

CHAZZ先生が「断易の教科書」という入門書を上梓されました。内容がよく整理されており、図版が多く、とにかく読みやすく・わかりやすい本です。

断易の本はとっつきにくいものが多かったのですが、この本は違います。過去最高の入門書と言えると思います。

断易入門書の決定版「断易の教科書」発売!
現時点で日本最高の断易入門書大久保占い研究室の田中です。イベントや勉強会でお世話になっているCHAZZ(丹羽智保)先生が、東洋書院から断易の入門書を出版されました。その名も「断易の教科書」。自分も原稿の下読みと帯のコメントで本創りに参加させ...

詳しい本のご紹介は上記のページからどうぞ。私の推薦図書を信じてくださるという方は、いきなり下のリンクからポチってしまってください。

断易の教科書 上巻 (易断の教科書)
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吉凶と時期がハッキリわかる 断易(雨宮零・大石真行)

断易の巨匠と言われれば大石真行先生が思い当たるのですが、残念ながら断易の書籍は出しておられません。

しかしお弟子さんの雨宮零先生が、大石真行先生監修で説話社から入門書を出版されました。とても良い出来なうえ評判も上々なので、断易に興味のある方は手にとってみてください。とても安価なので、入り口に最適であると思います。

断易の研究ノート

自分が断易を学習する際に使っている、研究ノートをまとめておきます。同じ初学者の皆様のお役に立てば幸いです。

断易で用神が複数ある場合の優先順位(用神多現・用神両現)
断易で用神多現・用神両現の卦を得た場合断易は正しい用神を選定することが占いの大前提になっています。ところが困ったことに、得られた卦の中に用神が複数あるケースが多々起こります。これは用神多現と言われている状態で(華語圏のブログを見ると用神両現...
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