新生児の14人に1人が不妊治療により生まれている日本
占いをやっていると、妊娠したい、子供がほしい、子供ができるかという相談を受けることが多くあると思います。
日本は生殖医療の超先進国なので、正直なところ子供がほしいなら占い師なんかをパスして病院で診断を受け、科学的に全力を尽くすべきだと思うのですが、治療を受けている当事者からしてみれば、生殖医療は残酷な確率論の世界です。
そもそも子供が持てるのか自分の運命を知りたい、不妊治療に疲れた、という心の悩みを持つ人も多いでしょうし、治療にするにしてもどのクリニックが良いのか、という現実的な鑑定依頼を受けることもあるでしょう。
ですから、占い師の側も生殖医療と不妊治療の実際について知っておくほうが、鑑定や対話がスムースに運ぶと思うのです。特に男性占い師はこの分野に関する知識がない方が多いと思います。この記事では、不妊と生殖医療に関する大まかな数字をご紹介しましょう。
不妊の検査や治療を受けている夫婦は22%
厚生労働省が公開しているパンフレットに掲載されていたのですが、現在の日本で生まれてくる子供は、14人に1人が不妊治療を経ています。不妊の検査や治療を受けている夫婦は22%で、これは4組に1人という数字です。
また日本は体外受精の技術が発達しており、実施件数も他国に比べて段違いに多いのです。ただし、成功率は他国に比べて決して高くないどころか、著しく低いというのが現状です。これは主に母親側の年齢によるものです。
例を挙げると、体外受精を受ける日本人女性の平均年齢は40歳ですが、アメリカでは34歳となっています。やはり、体外受精を受ける女性の年齢差が大きな違いを産んでいるのです。
不妊治療と仕事の両立は難しい
女性の不妊治療は種類も多岐にわたりますが、卵胞から卵子を採取するところまで行くと完全に手術になりますし、費用的にも身体的にも精神的にも、そして時間的にも負担が大きくなります。
前掲の厚生労働省の資料によると、不妊治療と仕事を両立できているという女性は約半分、という驚くべきデータが出ています。子供の14人に1人が不妊治療を経て産まれてくるのですが、不妊治療を断念せざるを得ない夫婦もたくさんいるのです。
また、この厚生労働省のパンフレットではデータの深掘りがされていませんが、おそらくは非正規雇用の女性と、フルタイムで働いている女性とでは、予算と時間のファクターで大きな差が出ていると思います。このあたりも、相談を受ける際には配慮が必要なポイントだと思います。
しかし実際のアンケートでは、大部分の女性が、不妊治療を継続できない理由を「精神面で負担が大きいため」「通院回数が多いため」「体調、体力面で負担が大きいため」と答えています。不妊治療は女性に過大な忍耐を要求しているということです。
占い師は傾聴するのが仕事
占い師の仕事は突き詰めると、相手のお悩みを傾聴することです。どんな占い師でも、鑑定はそこからスタートします。不妊に悩む女性の話をお伺いする際には、ここで挙げた数字を頭に浮かべていただけると、会話に深みが出てくると思いますし、現実的な(現代医療と科学に沿った)アドバイスも可能になるのではと思います。
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