田中(あらいちゅー), 馬主で大家で占い師
四柱推命で使用する時差(地方時差・均時差・真太陽時)について
四柱推命で使用する時差は3種類ある
四柱推命で生まれた時間を設定する際には、時差を考慮する必要があります。国内の四柱推命本に出てくるのは地方時差・均時差・真太陽時でしょうか。国内時差にあたる地方時差はわかりやすいと思うのですが、均時差と真太陽時はあまり知られていないので、まとめて解説します。
地方時差とは?
日本の時刻、つまり日本標準時は東経135度の子午線が通る明石市を基点としています。
地球は1日(24時間)で自転し、かつ360度の球体ですから、360度÷24時間で、明石市から東経が15度ずれるごとに1時間の時差が発生します。15度が1時間ということは、1度につき4分ということです。
つまり明石市から東経が1度西にずれるとマイナス4分(実際の時間より現地時間は4分早い)、1度東にずれるとプラス1分の時差(実際の時間より現地時間は4分遅い)が発生することになるわけです。
東京はだいたい東経140度ですから、明石との差は5度になります。4×5で20となりますから、日本標準時で11時であったとしても、地方時差を反映させた実際の時間は11時20分となるわけです。
中国北京と日本の時差はどれくらい?
続いて中国の例です。中国標準時は北京に近い東経120度の子午線を基準を基点としています。したがって135-120=15で、日本とは1時間の時差があることになります。
次に、北京市生まれの人の地方時差を計算してみましょう。北京市は東経116度にありますから、北京市生まれの人が中国標準時との時差を検討する場合は、120-116で4度となります。
したがって、北京生まれの人が中国標準時との地方時差を補正する場合、4×4で16分となる、ということです。
全国主要都市と明石市との時差の表
これで地方時差の理屈はわかっていただけたかと思います。しかしながら、毎回経度を計算して命式を作るのは面倒でなりません。
ありがたいことに「全市町村の明石市との時差/経度/緯度」というページがありますので、利用させていただきましょう。作者の「占いのホッタテ小屋・源氏名K」さんに感謝です。
以下は上記のページから、大まかな部分を引用した地方時差の一覧表になります。しかし、これは全国の主要都市のみの表ですから、精密に計算する場合は上記のページにアクセスしていただいて、「全市町村の時差/経度/緯度・各都道府県のページ」を参照してください。源氏名Kさん、重ね重ね、ありがとうございます。
都市 | 時差 | 東経・北緯 | 都市 | 時差 | 東経・北緯 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
北海道 | 札幌市 | +25分 | E141°21′N43°04′ | 函館市 | +23分 | E140°44′N41°46′ | 北海道 |
旭川市 | +29分 | E142°22′N43°46′ | 釧路市 | +37分 | E144°23′N42°59′ | ||
東北 | 盛岡市岩手県 | +25分 | E141°09′N39°42′ | 秋田市秋田県 | +20分 | E140°06′N39°43′ | 東北 |
仙台市宮城県 | +23分 | E140°52′N38°16′ | |||||
関東 | 東京23区 | +19分 | E139°4x′N35°4x′ | 横浜市神奈川県 | +19分 | E139°38′N35°26′ | 関東 |
中部 | 金沢市石川県 | +07分 | E136°40′N36°33′ | 新潟市新潟県 | +16分 | E139°02′N37°55′ | 中部 |
甲府市山梨県 | +14分 | E138°34′N35°40′ | 静岡市静岡県 | +14分 | E138°23′N34°58′ | ||
名古屋市愛知県 | +08分 | E136°55′N35°11′ | |||||
近畿 | 大阪市大阪府 | +02分 | E135°30′N34°41′ | 京都市京都府 | +03分 | E135°46′N35°01′ | 近畿 |
中国 | 広島市広島県 | -10分 | E132°27′N34°23′ | 岡山市岡山県 | -04分 | E133°55′N34°39′ | 中国 |
四国 | 松山市愛媛県 | -09分 | E132°46′N33°50′ | 徳島市徳島県 | -02分 | E134°33′N34°04′ | 四国 |
九州 | 北九州市福岡県 | -16分 | E130°53′N33°53′ | 大分市大分県 | -14分 | E131°37′N33°14′ | 九州 |
長崎市長崎県 | -20分 | E129°53′N32°45′ | 五島市長崎県 (五島列島・旧福江市) |
-25分 | E128°51′N32°42′ | ||
鹿児島市鹿児島県 | -18分 | E130°34′N31°36′ | |||||
沖縄 | 那覇市 | -29分 | E127°41′N26°13′ | 石垣市 | -43分 | E124°09′N24°20′ | 沖縄 |
均時差とは?
続いて均時差になります。均時差のWikipediaには「均時差(きんじさ、equation of time)とは、天球上を一定な速さで動くと考えた平均太陽と、視太陽(真太陽)との移動の差」とありますが、占い初心者には何のことだかわからないと思います。
きわめて簡単に(半分端折って)解説すると、占い的には、地球は太陽の周りを一定のペースで、真円の形で、まあるく、ぐるぐると周回していることになっています。しかし、実際には楕円形に回っています。その他の理由も色々と勘案すると、計算上の太陽の位置と、実際の太陽の位置にズレが生じることになります。
専門的には、真太陽時(視太陽時)と平均太陽時の時刻差と表現します。要するに、太陽の位置を基準として時刻を決めているのに、計算上の太陽の位置と実際の位置は違うので、それを実際の位置から計算したものに補正しましょうね、ということです。もっと詳しい説明はコトバンクの均時差のページをどうぞ。
均時差は素人が手で計算するのは無理です。こちらも「太陽南中と均時差」というサイトで計算することができますから、ありがたく利用させてもらいましょう。
真太陽時とは?
そして最後に真太陽時(視太陽時)となります。これは先程の均時差の説明で出てきたものですね。これはコトバンクの真太陽時のページを引用させていただきましょう。
実際の太陽(真太陽)が南中する時を基準にしてきめた時刻。12時に太陽の時角を加えたものに等しい。真太陽が南中してから次に南中するまでの時間を1真太陽日という。真太陽日の長さは季節により異なるので,時間の基準には平均太陽時を用いる。
四柱推命で鑑定する場合はどう使う?
これらの時差を四柱推命の鑑定にどう使うかという話ですが、実際は生まれた時間から地方時差を加減して、さらに均時差を加えれば十分でしょう。国立天文台のホームページに均時差の表がありましたので、これを引用しておきます。
実際の均時差は日ごと、年ごとに違うので、詳しく知りたい方は理科年表を用意されれば良いと思います。実際は、この表を使って生まれた時間を増減させれば良いでしょう。
四柱推命とレクティファイ
しかし、個人的には「正しい時刻よりも当たる時刻」で占うことが大事だと思っています。地方時差と均時差を加えると命式が違ってくるという場合、思い切って時差を考慮しない命式も作り、それで占ってみるのも手です。というより、私は時刻が微妙な人は命式や命盤をかならず2種類作っています。
生年月日も命式も絶対のものだとは思いますが、自分の人生は自分自身のものです。正しい命式だからと言って、自分のバイオリズムを反映しないものに、利用価値があるとは思えないのです。
これは台湾の紫微斗数の第一人者である、天乙上人のレクティファイと鑑定を見て感じたことです。この話はまた、いずれどこかで…。
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四柱推命初心者が頭を抱えるのが、地方時差・均時差・真太陽時という時差の問題です。こちらを簡単に、実用的にまとめておきました。
https://www.senjutsu.jp/labo/4pillar/time-difference
時差の問題や占い師の力量の問題から、四柱推命が当たる・当たらないという議論になりがちです。
四柱推命の(自分が書いた)古い鑑定例です。
四柱推命は統計学だと言う無知な占い師がいますが、決してそうではありません。